
プラチナの価格が高くなる理由とは?プラチナ価格の今後の予測や価格変動の要因についてご紹介!
2025年6月現在、プラチナの価格が再び注目を集めています。一時は長期にわたり供給過剰が続き、価格も低迷していましたが、ここにきて大きな回復基調を見せています。今、なぜプラチナ価格が上昇しているのか?また今後の見通しはどうなのか?その背景にある歴史や需要の動き、そして価格変動の主要因について詳しくご紹介します。
見出し
プラチナ価格が回復傾向にある2025年6月の相場状況
2025年6月、プラチナの価格は前月比で24%も上昇し、1トロイオンスあたり1218ドル(約17万6000円)という高値を記録しました。これは実に4年ぶりの高値水準であり、過去10年間で長らく続いた供給過剰の時代からようやく脱却しつつある兆候とされています。
また、同じ白金族金属であるパラジウムも13%の上昇を見せており、1トロイオンスあたり1077ドル(約15万6000円)となりました。これに対して、これまでの主役だった金(ゴールド)はわずか1.5%の上昇にとどまり、プラチナとパラジウムが貴金属市場での主役の座を取り戻しつつあります。
なぜ今プラチナ価格が上昇しているのか?
1. 供給不足による地上在庫の枯渇
プラチナの価格上昇の最大の理由は、「地上在庫の急減」です。白金の主要産地である南アフリカやロシアでは、過去の価格低迷を受けて鉱山の操業を縮小してきました。その結果、2025年現在、新たに採掘されるプラチナが需要に追いつかない状況に陥っています。
世界白金投資評議会(WPIC)のレポートによれば、今年は約96万6000トロイオンスの供給不足が予想され、これは3年連続の赤字となります。また、現在の地上在庫はわずか3ヶ月分の需要を賄える程度(216万トロイオンス)まで減少しており、さらなる価格上昇の可能性があると見られています。
2. 産業用途と環境対策需要
プラチナは宝飾用だけでなく、産業用途においても非常に重要な金属です。特に、自動車の排ガス浄化装置(触媒コンバーター)に使用されており、ガソリン車やディーゼル車の排出ガス対策に不可欠な存在です。
EV(電気自動車)の普及が進んでいるとはいえ、ハイブリッド車では依然としてプラチナやパラジウムが必要とされており、その需要は根強く残っています。特に環境意識の高まりによって、より高度な浄化性能が求められており、白金族金属の使用量が増加する傾向にあります。
3. フォルクスワーゲンの排ガス偽装問題からの回復
2015年に起きたフォルクスワーゲンによる排ガス測定の偽装問題は、プラチナ市場に大きな衝撃を与えました。この問題によって、自動車メーカーによるプラチナの使用が一時的に控えられ、価格は804ドルまで急落しました。しかしその後、環境規制の強化や信頼回復に向けた対策によって需要は回復し、現在の価格上昇へとつながっています。
今後のプラチナ価格の見通し
プラチナは、かつて2008年には金の2倍以上の価格(2068ドル)を記録したこともある希少金属です。長年の低迷を経て、今ようやく投資家の関心も高まりつつあります。今後については、以下の点が注目されます。
- 供給不足の持続:南アフリカやロシアの鉱山が本格的に再稼働するには時間がかかるため、供給の逼迫は続く見込み。
- 投資対象としての注目:金から資金を移す動きが見られており、分散投資の一環としてプラチナへの資金流入が期待されています。
- 地政学的リスク:南アフリカ・ロシア情勢によって供給が不安定化するリスクがあり、価格上昇のトリガーになる可能性もあります。
これらを考慮すると、プラチナ価格は今後も上昇トレンドを維持する可能性が高く、長期的な資産としても注目される存在になるでしょう。
関連する企業や市場の反応
プラチナ価格の急騰を受けて、鉱山企業の株価も上昇しています。特にイギリスのバルテラ・プラチナムや、ジンバブエのジンプラッツ、南アフリカで事業を展開するサザン・パラジウムなどの株価が1ヶ月で最大120%以上上昇しました。これらの動きも、プラチナの将来性に対する市場の期待感の現れといえます。
まとめ|プラチナ価格の上昇は一過性ではない可能性も
これまで金の影に隠れていたプラチナですが、2025年に入り本格的な再評価の波が来ています。供給不足、産業需要、投資マネーの流入など複数の要因が重なり、価格上昇の基調が続く可能性は高いでしょう。
プラチナ製品やジュエリーをお持ちの方は、現在の相場が高値圏にある今、買取に出すチャンスかもしれません。相場情報をチェックしつつ、タイミングを見極めて、より良い条件で売却を検討してみてはいかがでしょうか。